2025年1月25日、氷瀑となった高瀑を訪問した。
「高瀑」と書いて「たかたる」と読む。その滝の存在は以前から認識していたが、滝に到達する難易度の高さゆえに、これまでアプローチを実行できずにいた。滝に到達するには片道4時間以上の歩きが必要で、後半は急勾配の雪山登山となるらしい。訪問するなら入念な準備が必要となる。
2024年秋は、ルート不明瞭なため今となっては秘瀑となってしまった尾瀬の渋沢大滝に到達した。さらに、昔よりはメジャーな存在になったとは言え行程は長く明確なルートは無い日光の庵滝に難なく到達した。それ以来体力が落ちないように滝巡りや低山登山も定期的に行っている。これらのことから、高瀑を目指すための体力を現在有していると判断し、今回の訪問を決めた。
念のため訪問する前日に車の駐車場所を確認し、近くの道の駅で車中泊。当日は7時すぎに駐車場所に到着すると、すでに多くの人が訪れており、ギリギリ駐車できる状態だった。この滝のファンはたくさんいるらしい。当然ながら全員が重装備である。朝のピリピリした寒さの中私も装備を整え、7時半に登山を開始した。いよいよ滝へのアプローチ開始だ。
序盤は林道歩きだが、グネグネと曲がった林道をショートカットするため一部は登山道を進むのが一般的となっている。林道を進んで数分するとすぐにこの登山道を見つけたが、予想していたよりもかなりの急勾配。進んでいくとすぐに息が切れる。序盤からいきなり体力を削られることとなり面食らったが、ここをクリアすると再び林道に合流することができた。林道をひたすら歩き、ようやく登山開始場所に到着。ここからが本番だ。みんなここで装備を整えていた。
アイゼンとスパッツをつけている途中で私に話しかけてくる人がいた。その人は職場の3人で来ており、高瀑は初めてではないようで、いろいろ情報を教えてくれた。なんとなく私もそのパーティといっしょに行動するようになった。
登山道をしばらく進んでいくと小さな滝が現れ、

その横(左岸側)に急斜面が立ちはだかっていた。いよいよ核心部の始まりだ。

急斜面を慎重に登り、しばらく進んでいくと崩落箇所が出現した。ちょうど良いところに木が生えており、その木を抱きかかえるようにして通過することができた。3人パーティの1人から「これで難所は終わりですよ」と声がかかった。しかしそれからしばらく進んでいくと、目の前に急斜面が立ちはだかっていた。ロープは備え付けられていたが、肝心な一番急なところに備え付けられていない。ピッケルを利用してなんとか登り切った。ここが間違いなく今回一番の難所だった。
斜面を登りきると、待ちに待った滝がようやく現れた。


落差は132メートル。岩盤にびっしりと氷をつけ、空高くそびえ立つ氷瀑がそこにあった。こんなに大きな規模の氷瀑は西日本では見たことがない。東日本を合わせても、これと同レベルの氷瀑はどれだけあるだろうか。目の前の氷瀑は日本屈指と言って良いだろう。真っ青な空の下滝が堂々とそびえ立ち、岩盤の上には白く凍り付いた木々・・・。条件は完璧だ。現実離れしすぎた光景にしばし見入ってしまった。
滝の前で3人パーティの方にコーヒーをごちそうになり、いっしょに飲ませていただいた。滝の下、極寒の地で飲む温かいコーヒーは極上の味がした。滝を堪能した後に下山開始。滝下の急斜面を降りるのは怖かったが、慎重に降りてなんとかクリア。16時半に下山完了。日が落ちる前に下山できて本当に良かった。
最後はお世話になった人達に挨拶をし、車でその場を後にした。それにしても登山をやる人達の仲間意識はすごい。普段はソロで入山する私も、今回はそれに触れ、少し心が温かくなった。
7時30分 林道歩き開始
9時45分 登山口到着
12時00分 高瀑到着
16時30分 駐車場所到着、下山完了